直葬とは
亡くなった後に、お通夜や葬儀を行わず直接火葬場に送る方法を「直葬」または「火葬式」と言います。
お通夜やお葬式は最低料金で行ってもそれなりの金額が掛かってしまいますが、直葬では火葬場に遺体を運んで火葬してお骨にするだけですので、簡素にする分手間もお金も比較的少なくて済みます。
「宗教的に通夜や葬式に抵抗がある」「呼びたい人は特にいない」「死んで無駄金使わせるくらいなら遺産として残してあげたい」などの理由で選ぶ方も増えています。
直葬の難しさ
自分の葬儀は簡単でよいと考える方の究極の簡易版ともいえる「直葬」ですが、ご家族・親戚・友人など身近な人がいると、実現するのは難しい場合があります。
お通夜やお葬式は故人のためのイベントでもありますが、故人のまわりの方に亡くなったことを伝えたり、お別れをしたり、気持ちの整理をつけるといった、遺された人のためのイベントでもあります。あなたが簡素でいいと言い残しても、家族がお金を少し掛けてでも最後はしっかり見送りたいということで通常のお式を望むことは珍しくありません。
また本人がどう望んでいても、地域にお葬式をしっかりする風習があれば、親族としてはその土地に合った形にせざるを得ないことがありますし、風習などはなくても外聞が悪いので通夜か葬式くらいはしたいということも考えられます。
また、入るお墓が決まっている場合はそちらのお寺との関係もあるので、葬儀もなにもお寺に頼まずお骨だけお墓に入れるというのが難しい場合も考えられます。
それに知り合いが多かったりすると最後にお別れをしたい方やお線香をあげたいという方から連絡があったり訪ねてくることもあります。その都度対応するくらいならお通夜や告別式を行ってまとめてお別れをしていただいた方が遺族は楽かもしれません。
よく話し合って決めましょう
このように、家族のためによかれと思って直葬を選んだとしても、あまりに何もない直葬は実現しないこともあります。直葬を望む強い意志があるなら、なぜ直葬がよいのかという理由をしっかり残すことが重要です。
直葬を希望する場合は、まず自分は通常はどういう葬儀のなるのかを確認してみましょう。よくわからない場合は、家族や親せきに確認するのもいいでしょう。そのうえでもし親戚筋などから理解が得られなさそうな場合は、ご自身でそのあたりの問題を解決しておきましょう。
いずれにしても、エンディングノートを受け取る人に相談せずに直葬を希望して、あとで家族があなたの希望をかなえられなくなってしまい困らせてしまう事態はできるだけ避けたいところです。エンディングを迎える前に家族としっかり話し合って実現可能なかたちを目指しましょう。
直葬以外の簡易なお葬式
直葬を望む理由はいろいろあると思います。仏教に全く関心がないので葬式もしたくない、呼びたい人がいない、お金を使いたくない、ひっそり誰にも知らせずに逝きたい、家族を疲れさせたくない、などなど。
いまは葬儀社も多種多様なサービスを行っており、低予算でも小規模でも、事前に用意しようと思えばインターネットで簡単に探すことができます。例えば仏式にこだわりたくないという方向けの通夜や葬式の代わりのお別れ会や、本当に家族だけで行う50万以下のお式、それからインターネット上でコメントや写真を送る無料のサービスなど。
とにかくいろいろな形があるので希望に合う葬儀社を探してみるのもよいでしょう。